染付唐草文茶碗 銘 荒木
大名物
そめつけからくさもんちゃわん めい あらき
摂津国有岡(ありおか)城主(兵庫県伊丹(いたみ)市)であった荒木村重(あらきむらしげ)(1535~86)が所有し、その後は千利休(せんのりきゅう)を経て、家康が所持したとされる名碗です。村重は信長に重用(ちようよう)されましたが、天正6年(1578)、突如信長を裏切ったため、有岡城は信長軍の攻撃を受けました。翌年、村重はひとり脱出して城は落城し、残された家臣や家族はことごとく惨殺(ざんさつ)されました。信長の歿後、村重は堺へ戻り「道薫(どうくん)」と号して、晩年は秀吉の下で茶人として余生(よせい)を送りました。
【中国・明時代 16世紀】