白雲紅樹図 はくうんこうじゅず
橋本雅邦(はしもとがほう・1835~1908)は江戸木挽町に生まれ、弘化4年(1847)狩野雅信(ただのぶ)に入門、狩野芳崖(ほうがい)とともに雅信門下の龍虎といわれています。本品は第3回内国勧業博覧会に「秋景山水図」と題されて出品し、妙技一等賞を受けた作品です。白雲たなびく雨模様の空間に紅葉がひときわ冴える景色を描いています。奥行への空間意識はフェノロサ指導による西洋絵画研究がいかされています。
【橋本雅邦筆 明治23年(1890) 東京藝術大学(展示期間:4/17~5/6)】