御台人形 老松ニ菊 おだいにんぎょう おいまつにきく
大きい頭に白い肌で幼児の姿をした御所人形は、江戸時代には高貴な人々の間で、贈答品として愛好されました。明治時代になると、草木や小道具などと共に台の上に飾られた御所人形が登場します。これらは「御台人形」と呼ばれ、皇族の子女の初めての誕生日などの慶事に天皇・皇后より下賜されました。本品は東久邇宮家(ひがしくにのみやけ)旧蔵の品で、慶事にふさわしく吉祥のモチーフである松や菊を配し、また愛くるしい姿の中にも気品の高い面差しにあらわされています。
【大正15年(1926) 個人蔵】