重要文化財
西行物語絵巻 さいぎょうものがたりえまき
平安時代末期、源平の争乱の時代を生きた西行(1118~90)は、詠歌と旅、修行に明け暮れる生涯を送った歌人としてよく知られています。桜と月を友として、さまざまな場所に草庵を結び、畿内は言うに及ばず諸国を遍歴し、多くの和歌を残しました。本作品は、西行の叙情的な物語を描き出した絵巻です。
西行の生きざまに追随した人々もまた、旅そのものを人生とし、自然を愛し自然と一体となって生活をするなかで詩趣・歌ごころを育んできました。「もののあはれ」に託された美趣は、かたちを変えつつも日本人の心に受け継がれていきました。
【徳川綱吉所用・天英院照姫遺物 鎌倉時代 徳川美術館蔵】