白紋綾地筥牡丹唐草紋縁錦茵

白紋綾地筥牡丹唐草紋縁錦茵 しろもんあやじはこぼたんからくさもんへりにしきしとね

茵(しとね)は、真綿入りの座具で、鏡仕立てとした正方形の敷物をいいます。本品は近衛家をあらわす筥牡丹紋(はこぼたんもん)と唐草を色替わりに刺繡し、四方に赤地の繧繝錦(うんげんにしき)をめぐらし、優美な趣があります。天璋院と和宮が初めて対面したとき、姑(しゅうとめ)にあたる天璋院は上座につき茵の上に座っていたのに対して、和宮の席は左脇の下座で、茵も用意されていなかったため、和宮側が憤慨したという有名な逸話を彷彿とさせます。

【天璋院篤姫所用 江戸時代 德川記念財団蔵 (展示期間:9月16日~10月9日)】