石清水八幡遷座縁起絵

重要文化財

石清水八幡遷座縁起絵 いわしみずはちまんせんざえんぎえ

 石清水八幡宮は、貞観元年(859)大安寺の僧・行教(ぎょうきょう)により宇佐八幡宮から勧請(かんじょう)され、京都府八幡市の男山に鎮座(ちんざ)したことに始まります。
 本図は、男山全体の景観を俯瞰的(ふかんてき)にとらえ、すやり霞で区画した中に遷座(せんざ)に伴う数々の奇瑞譚(きずいたん)を描いています。回廊に囲まれた本殿の前では遷座の儀式が執り行われ、画面の上部に日輪、下部に月輪を配し、縁起絵のみならず礼拝画としての性格も備えています。樹木・岩などの描法には新手法もうかがわれ、製作は鎌倉時代末期と考えられます。

【伝巨勢有家筆 鎌倉~南北朝時代 14世紀 重要文化財】