本多平八郎姿絵屏風

重要文化財

本多平八郎姿絵屏風 ほんだへいはちろうすがたえびょうぶ

 葵紋を散らした鹿ノ子絞りの小袖を着た女性を千姫(1597~1666)、若衆を本多平八郎忠刻(ただとき)(1596-1626)とみて、両者の出会いを描いたとする伝承が古くからありますが、実は、男女の艶文のやりとりが対比的に示された、近世初期風俗画の主題の一つ「文使い図」です。人物の姿や衣装の美しさに重点を置き、六人のわずかな仕種やポーズで文をめぐる情景をドラマチックに描きだした表現力は卓抜であり、国宝「彦根屏風」(彦根城博物館蔵)とならび近世初期風俗画を代表する名品に数えられています。

【江戸時代 17世紀】