水色・茶・納戸段秋草文唐織 みずいろ・ちゃ・なんどだんあきくさもんからおり
唐織は能装束を代表する最も絢爛豪華な装束で、主として女役の表着(うわぎ)として使用されます。一見すると刺繍のように見えますが、多色づかいの織物です。紅色の入った装束を紅入(いろいり)といい、若い女役に用い、紅色を加えない装束を紅無(いろなし)といって中年以上の役柄に用います。
秋の夕暮れ時を思わせるような茶・水色・納戸色の段替わりの地に桔梗や萩、菊などの秋草が十色を越える色糸で織り出されています。豊かな色使いでありながらも金糸を用いていないため、華麗な中にも侘びた趣のある唐織です。
【江戸時代 19世紀 展示期間:9/15~10/10】