紅綾地松竹に
宝尽くし模様陣羽織
べにあやじまつたけにたからづくしもようじんばおり
わずか一歳で夭逝した十代将軍徳川家治の長女千代姫(1756~57)の産着としてつくられた一領です。産着にふさわしく、紅色に染められた幸菱文を織りだした綾地に、松竹鶴亀や橘、打出の小槌・隠れ蓑・鍵・宝珠などの宝尽くしが刺繡であらわされています。産着に託された安穏長寿の願いを込めたことがうかがえます。
【大丸松坂屋寄贈 松坂屋コレクション 江戸時代 18世紀】