紅・白段雪輪・蒲公英文縫箔

紅・白段雪輪・蒲公英文縫箔 べに・しろだんゆきわ・たんぽぽもんぬいはく

雪は、「雪月花(せつげっか)」という言葉があるように、春の桜、秋の月のように、冬の景物として愛されてきました。また、雪が豊作の前兆と信じられていたことから、吉兆を表す文様としても用いられました。
 白繻子(しろしゅす)地を白と紅の段に絞り分けて染め、その上に雷文と亀甲文を摺箔し、蒲公英と雪輪が繡い出だされています。春に咲く蒲公英は、早春の寒さを表すため、しばしば雪輪とともに用いられます。雪輪の中には、桜・松に藤・竜胆(りんどう)・萩など四季の花が配され、その一年の豊かさを予祝(よしゅく)するかのような意匠となっています。

【江戸時代 17世紀】