重要文化財
織部筒茶碗 銘 冬枯 おりべつつちゃわん めい ふゆがれ
黒と白の釉を斜めに掛け分けた斬新なデザインの茶碗です。桃山時代の着物や漆工品に多く採り入れられた「片身替(かたみがわ)り」の意匠を思わせます。白い文様は箆(へら)彫りされた後に白釉(はくゆう)でなぞられています。「引出黒(ひきだしぐろ)」の手法により深く艶やかな黒の色を得ることで、白釉が一層引き立ち、黒と白のコントラストが見事な黒織部の優品です。 銘の「冬枯」は、黒地に白く浮かび上がる抽象的な植物文様を枯れ草に見立てたことによるのでしょう。
【桃山~江戸時代 17世紀 岡谷家寄贈 重要文化財】