重要文化財
純金硯箱 じゅんきんすずりばこた
黄金の嫁入り道具は千代姫の嫁入り道具の一部で、茶道具11点・香道具10点・調度品6点の合計27点が現存する。当初はさらに多量な黄金の嫁入り道具が用意されたとみられる。
このうちの一点である硯箱は、蓋表に蜀江文繋地に葵紋散らし、蓋裏には菱形石畳文繋地に菊と岩が浮き彫りであらわされている。本体は木胎に金の薄板を貼り合わせた構造で、水滴や刀子・錐の柄は金の無垢である。水滴を蛍光エックス線で分析した結果、銀5%・金95%の二十三金であった。
【重要文化財 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 江戸時代 寛永16年(1639)】