特別展 尾張徳川家の雛まつり(2015年)
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お内裏さまとお雛さま、三人官女に五人囃子―さまざまなお人形や雛道具が飾られる雛祭りは「桃の節供」とも呼ばれ、春のおとずれを告げる華やかな行事です。
徳川美術館には、尾張徳川家の姫君のためにあつらえられた雛人形や雛道具が伝来しており、いずれも御三家筆頭の名にふさわしい質の高さを誇っています。
特に、一つ一つに家紋が入った雛道具は実際の婚礼調度のミニチュアで、その精緻な美しさには目を見張るばかりです。
また、所狭しとお人形や雛道具が並べられる明治・大正・昭和の雛壇飾りは、高さ約2メートル、幅7メートルにもおよび圧巻です。
大名家ならではの、豪華で気品ある雛の世界を紹介します。
主な展示品
この展覧会の見どころ
現在「桃の節供」として親しまれている3月3日の雛まつりは、男女一対の内裏雛やさまざまな人形、雪洞やお膳などの雛道具を飾り、女の子の無事な成長や幸せを祈っておこなわれる、春の訪れを告げるにふさわしい年中行事です。
徳川美術館には、将軍家に次ぐ家柄であった尾張徳川家の女性のためにあつらえられた、多くの雛人形や雛道具が伝えられています。幕末に活躍した尾張徳川家14代慶勝の夫人・貞徳院矩姫(1831~1902)が所持していた5対の有職雛があります。矩姫は福島・二本松の大名・丹羽長冨の娘で、18歳で慶勝に嫁ぎました。有職雛は公家の装束を正確に考証して作られた雛人形で、人形の装束は人形のサイズに合わせて文様を小さく縮小して織った生地が使われています。いわば特別仕立ての雛人形で、皇族や公家、大名といった限られた人々以外には持つことができませんでした。
一方雛道具は、尾張徳川家11代斉温夫人の俊恭院福君(1820~40)が所持した菊折枝蒔絵雛道具や抱牡丹蒔絵雛道具、貞徳院矩姫が所持した松竹梅蒔絵雛道具が伝えられており、尾張徳川家ならではの質と量を誇っています。菊折枝蒔絵雛道具は梨子地に菊の折枝を配し、ところどころに福君の実家である公家最高の家・近衛家の家紋・抱牡丹紋と徳川家の葵紋を散らしたデザインで、金具はすべて銀が用いられています。福君自身の婚礼調度である菊折枝蒔絵の諸道具と遜色のない精巧な雛道具で、現存する大名家の雛道具の中で最も華麗で格調高い作品です。
このほかひときわ目を引く間口7メートル、高さ2メートルにおよぶ尾張徳川家三世代の夫人たちの大雛壇飾りや尾張徳川家伝来の雛道具のなかでは最も古い鉄線唐草蒔絵雛道具、賀茂人形や色絵唐子人形などさまざまな人形、尾張徳川家の菩提寺・建中寺に伝えられた犬張子など、多くの雛人形や雛道具が展示室を賑やかに彩ります。今年も、観る人々の心を和ませてくれる雛まつりの世界をお楽しみ下さい。
【学芸員 並木昌史】
概要
会期 | ~ |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 |
一般 1,200円・高大生 700円・小中生 500円 |
主催 | 徳川美術館・中日新聞社 |
協力 | 名古屋市交通局 |
展覧会図録 | 『尾張徳川家の雛まつり』(840円) |
関連企画 |
特別企画 目で見る雛まつり 十二単着装公開 オリジナル香り袋・文香をつくる |
連携企画 |
第13回 陶のまち瀬戸のお雛めぐり 徳川園 流し雛 宝善亭「雛御膳」 ガーデンレストラン徳川園 |
資料 |
企画展チラシ(PDF:1.4 MB)[更新日:
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