鉄線唐草蒔絵行器

鉄線唐草蒔絵行器 てっせんからくさまきえほかい

行器とは、外出の際に食物を収めるための容器で、二合一対で棒に吊して運んだ。中世までは実用品であったが、江戸時代には儀礼的な品となった。本品は尾張徳川家4代吉通(よしみち)の生母、本寿院下総(ほんじゅいんしもうさ/1665~1739)の所用品と伝えられる。ただし、裏菊紋は宮家で多く使用されることから、もとは広幡忠幸(ひろはたただゆき)の長女で3代綱誠に嫁いだ新君(にいぎみ/1654~92)の道具であった可能性が想定される。

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【江戸時代 17世紀】