源氏物語抜書 早蕨<br /><small>尊円法親王筆</small>

源氏物語抜書 早蕨
尊円法親王筆
げんじものがたりぬきがき さわらび

『源氏物語』第48帖「早蕨」の一文を、自由で変化に富んだ散らし書きでしたためた、量感と流麗さを併せ持つ仮名の優品である。雲形に紫を漉き上げた打曇(うちぐも)りのある料紙に、金銀泥(きんぎんでい)で松梅柳・蝶鳥・桜の下絵を施している。筆者の尊円親王(1298~1356)は書道の中興の祖と称され、その書風は後世に大きな影響を与え、青蓮院流(しょうれんいんりゅう)あるいは粟田流(あわたりゅう)と称された。

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【南北朝時代 14世紀】