霞に花の丸文中啓

霞に花の丸文中啓 かすみにはなのまるもんちゅうけい

能に用いる扇の一種である。「啓」は開くの意味で、たたんでも末が半開きになることからきた名称である。墨絵の図柄は僧・老人の役に、金地に桐鳳凰は神体に、金地に菊水は童子に用いるなど、役によって図柄の区別がある。能の扇には他に鎮(しずめ)扇(おうぎ)があり、原則としてシテ方・ワキ方は中啓を、狂言方は鎮扇をもつ。

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【江戸時代 19世紀】