浅葱・茶段七宝に鶴菱・雲文厚板唐織 あさぎ・ちゃだんしっぽうにつるびし・くももんあついたからおり
厚板唐織とは、厚板の地に、唐織のような模様を浮き織りにした装束である。男性的な厚地織物の厚板と、女性的で華やかな唐織との中間的な性格をもっている。唐織と厚板の両様の使い方がされ、武将や公達(きんだち)に用いることが多い。本品は、浅葱と茶を段替りにした地色であり、紅色を用いない紅無(いろなし)の落ち着いた配色である。浮き織りにされた文様も、有職(ゆうそく)文に似た鶴菱文と雲文であり、全体に品良く仕上げられている。
【江戸時代 17世紀】