能面 白式尉
伝 元休満総作
のうめん はくしきじょう
白式尉は、「翁(おきな)」のシテが直面(ひためん)(素顔)に翁烏帽子(おきなえぼし)を戴き、翁狩衣(おきなかりぎぬ)姿で登場し、舞台上で舞う時にだけ着ける面(おもて)である。「翁」は能の中で最も神聖視され、正月の年賀能(ねんがのう)や舞台開きの祝賀能(しゅくがのう)などで番組の冒頭に上演される。切りはなされた下顎を飾紐で結んだ切顎(きりあご)、ボウボウ眉とよばれる飾眉(かざりまゆ)、への字の下にくりぬかれた目などが特徴である。頭頂の黒い横長の彩色は冠型(かんむりがた)といい、頭に冠をつけていることを示している。
【江戸時代 18世紀】