堆朱騎馬人物図印籠

堆朱騎馬人物図印籠 ついしゅきばじんぶつずいんろう

印籠といえば、腰に吊り下げる小さな薬入れを意味するが、元々は本品のように印章や印肉・糊を入れる重箱式の容器をいう。本品は漆を何層も塗り重ねてから文様を彫り表す「彫漆(ちょうしつ)」の一種で、最表層に赤色が現れるように彫り出す、堆朱(ついしゅ)と呼ばれる技法が用いられている。蓋表には、樹下に三頭の馬と二人の人物、側面には牡丹や菊、蘭などの草花文を表し、底部に高台を置く。室町時代以降の書院飾りでは本品のような彫漆が好まれた。

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【江戸時代 19世紀】