刷毛目茶碗<br />銘 白波

刷毛目茶碗
銘 白波
はけめちゃわん
めい しらなみ

小振りな茶碗で外側の釉(ゆう)がかりは薄いが、内側には、見込部分を残してあらわした白釉(はくゆう)の鮮やかな刷毛目を見ることができる。この刷毛の勢いから、しぶきを散らす白波を連想したのであろう。口縁(こうえん)の一部が欠けており、欠けた部分に他の陶片を用いて補う「呼継(よびつぎ)」の技法が用いられている。『大正名器鑑(たいしょうめいきかん)』所載の小ぶりの名碗で、外箱蓋裏には、近代の大茶人・益田鈍翁(ますだどんのう/1848~1938)による「白波は 磯にたてとも おき見れハ そこまて月の 影そうつれる」の和歌が記されている。

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【朝鮮王朝時代 16世紀】