紅安南草花文茶碗

紅安南草花文茶碗 べにあんなんそうかもんちゃわん

端反(はぞ)りの伸び伸びとした姿と色絵による華やかな色彩の茶碗である。中国の赤絵の影響をうけた作品で、染付の上に赤・緑・黄などの上絵を施し、文様を描いている。見込には大きく「寿」の文字が表されている。「安南」とは、中国が唐時代に現在のベトナム北部を支配するために設置した安南都護府(とごふ)に由来し、この地域の陶磁を日本では安南焼(あんなんやき)と呼んだ。特に赤・緑・藍などによる色絵の作品を「紅安南」といい、伝世例も限られているため、非常に珍しく貴重である。

名品コレクション展示室にもどる

【ベトナム 16世紀 重要美術品】