古瀬戸肩衝茶入
銘 虫喰藤四郎
名物
こせとかたつきちゃいれ
めい むしくいとうしろう
寛文12年(1672)に刊行された「茶器辨玉集(ちゃきべんぎょくしゅう)」に記される「虫咀(むしくい)(喰)藤四郎」に分類される茶入である。同書には「虫咀藤四郎ト云ハ土薬ヲ喰タル痕アル故也」とあり、虫喰があるような全体的な粗雑さが分類名の由来と推測される。
本品は、胎土が粗く全体的に表面はざらざらとし、裾や底にも付着した釉薬を剥がした痕がみられる。「虫喰藤四郎」の伝世例は少なく、貴重な茶入である。
【室町時代 15世紀】