天明真形釜

天明真形釜 てんみょうしんなりがま

下野国の天明(栃木県佐野市犬伏)は九州筑前国の芦屋(福岡県遠賀(おんが)郡芦屋)とならぶ我が国の代表的な茶の湯釜の産地である。桃山時代以前の作を特に古天明と呼ぶ。もとは地名を「天命」と表記し、「天明」に改められたのは彦根井伊家の領地となった寛永10年(1633)以降といわれている。天命釜と表記されることもある。
本品は真形の霰釜(あられがま)で、羽根が朽ちかけているように作られている。蓋の摘(つま)みは宝珠、鐶付(かんつき)は鬼面である。

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【江戸時代 17世紀 岡谷家寄贈】