黒塗紺糸威具足
明珍宗貞作
くろぬりこんいとおどしぐそく
元治元年(1864)の禁門(きんもん)の変で敗走した長州藩に制裁を加えるため、幕府は21藩15万の兵を動員して第一次長州征伐を命じた。本品は征長総督に任命された尾張徳川家14代慶勝(よしかつ)が広島まで進駐した際に着用した一領で、嘉永2年(1849)に製作された。兜の羊歯(しだ)の前立(まえだて)は、名古屋城天守の金鯱(きんしゃち)の心木(しんぼく)を用いて製作されたと伝えられている。
【江戸時代 嘉永2年 <1849>】