関戸本和漢朗詠集切<br />源兼行(伝 藤原行成)筆

関戸本和漢朗詠集切
源兼行(伝 藤原行成)筆
せきどぼんわかんろうえいしゅうぎれ みなもとのかねゆき(でん ふじわらのゆきなり)ひつ

 色とりどりの料紙を交用し書写されていた『和漢朗詠集』の断簡で、名古屋の関戸家に伝来したため、その名が冠され呼ばれています。
 やや側筆ぎみに右上から左下に運ばれる運筆に特徴があり、粘りのある重厚感と味わい深い情趣を示す独特の書風で染筆されています。「高野切」第二種などと同筆とみなされ、11世紀中半から後半にかけて、能書だけに与えられた名誉ある大役を幾度となくつとめた源兼行(かねゆき)(?~1023~74~?)の手になるとみなされています。

【平安時代 11世紀 個人蔵】