国宝
太刀 銘 国行 たち めい くにゆき
尾張家初代義直の嫡子・光義(後の2代光友)と千代姫の婚礼の際、千代姫が持参した初音蒔絵婚礼調度の一つに含まれる太刀である。道具類は寛永16年(1639)9月21日の入輿に先立ち、吉日を選んで同月16日に尾張家鼠穴(ねずみあな)屋敷へ運び込まれた。本作の刀工・国行は山城国来派(らいは)の事実上の祖とされる。本作の鍛えはよく錬れて細かく、小板目流れて地沸(じにえ)がつき、刃文は小乱れに丁子交じり、小沸ついて匂い足盛んに入る。茎は磨り上げ、表裏に棒樋を搔き通している。
【鎌倉時代 13世紀】
刃長67.9 反り2.0 茎長19.4