能面 痩男
朱漆花押
のうめん やせおとこ しゅうるしかおう
「善知鳥(うとう)」「阿漕(あこぎ)」の猟師や漁夫などの死霊に用いる面である。生類殺生の罪によって、地獄の呵責に苦しみ、憔悴した相貌をあらわす。全面を黄土で塗り固めた彩色法は、その額の上に弱々しくつきまとうように乱れかかった髪と相まって、一種の悲愴美さえ感じさせる。
【江戸時代 17世紀】
作者:伝河内大掾家重作
縦19.5 横14.2