能面 平太
刻銘「慈雲院殿作」
のうめん へいだ こくめい じうんいんでんさく
「屋島(やしま)」の源義経をはじめ「田村(たむら)」「箙(えびら)」といった、シテが勝ち戦の武将である「勝修羅物(かちしゅらもの)」の中で、後(のち)シテの面として使用される。名称は鎌倉時代の武将であった荏柄平太(えがらへいだ)胤長(たねなが)の顔をうつしたとも、「箙」の梶原平三(かじわらへいぞう)景時(かげとき)と源太景季(げんたかねすえ)親子の名に由来するとも言われる。見開いた目、太くはね上がった眉先、精悍な髭、褐色の顔など、日に焼けた武将らしい面構えを示している。
【江戸時代 17世紀】
作者:伝慈雲院作
縦20.1 横14.0