能面 増
焼印「天下一近江」
のうめん ぞう やきいん てんかいちおうみ
「増」とは「増女(ぞうおんな)」の略称で、足利義満の同朋衆(どうぼうしゅう)であった増阿弥(ぞうあみ)が創作した女面という意味である。若い女面の中でもとりわけ清楚な品位をとらえた造形で、「羽衣(はごろも)」の天人や「三輪(みわ)」の三輪明神など、神性の強い役柄に使用される。作者の近江満昌(おうみみつまさ)は、江戸時代の世襲面打師である児玉(こだま)家を興し、宝永元年(1704)に歿した。
【江戸時代 17世紀】
作者:近江満昌作
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