能面 獅子口
朱漆花押
のうめん ししぐち
しゅうるしかおう
文殊菩薩に仕える霊獣の獅子が、牡丹に戯れ遊び舞を舞う「石橋(しゃっきょう)」専用の面です。鋭い目には金環が嵌入(かんにゅう)され、カッと大きく開かれた口には上下一対の牙がのぞいています。鼻は窘縮(きんしゅく)して目と口を接近させ、口中の真紅に対して顔全面は金泥で彩色されており、いかにも強い表情をみせています。特殊演出で獅子を二頭以上出す場合には、シテが白頭(しろがしら)、ツレが赤頭(あかがしら)をつけます。
【桃山時代 16世紀】
作者:伝吉成赤鶴一透斎
縦19.4 横17.0