重要文化財
柳燕図 りゅうえんず
柳にとまる燕を題材に、雨後の情景を描く。柳の枝は風に揺れ、雨滴の飛沫が吹き墨の手法で表される。たち騒ぎながら枝にしがみつく二羽の燕と、風に向かって飛び去る一羽の燕が対比され、画中の動きが強調されている。一瞬の状况を、的確な墨調の変化と柔らかな筆の運びによって見事に表現している。
5代将軍綱吉が元禄11年(1698)3月18日に、尾張徳川家の麴町邸に御成を行った際、同家2代光友が拝領した一幅である。
【中国・南宋~元時代 13世紀】
作者:伝 牧谿筆
絹本墨画
本紙 縦89.8 横44.8