重要文化財
西行物語絵巻
第一段
さいぎょうものがたりえまき
詠歌と漂泊の生涯を送った歌聖西行(1118~90)の叙情的な物語を描き出した絵巻で、当初は3巻あるいは4巻本の絵巻として製作されたと考えられます。本巻には、西行が北面の武士を辞して家に帰り、慕い寄るわが子を縁より蹴落として恩愛の絆を断ち、その夜妻に出家の決意を告げて翌朝寺に行き、上人より剃髪得度(ていはつとくど)を受けるという場面などが描かれています。
かつては5代将軍綱吉の所蔵品でしたが、その歿後、6代将軍家宣夫人照姫(天英院熙子)に遺物として分与され、安永4年(1775)以前に尾張家の所蔵となりました。
【鎌倉時代 13世紀】
紙本著色
1巻
縦29.1 全長604.3