国宝
初音の調度 はつねのちょうど
この初音の調度は、寛永16年(1639)9月21日、3代将軍家光(いえみつ)の・娘千代姫(ちよひめ)が、尾張徳川家2代光友(みつとも)に婚嫁する際持参した調度で、室町時代以来の蒔絵師である幸阿弥家(こうあみけ)10代の長重(ちょうじゅう)が製作に当たりました。
初音の調度の名は、『源氏物語』の「初音」の帖「年月を松にひかれてふる人に今日鶯の初音きかせよ」の歌意を全体の意匠とし、その歌の文字を葦手書きに散らしているところに由来しています。
千代姫の婚礼調度は、調度の意匠が『源氏物語』の「初音」の帖に因んだ「初音の調度」が47件、同じく「胡蝶」の帖に因んだ「胡蝶の調度」が10件、さらに染織品・金工品を加えた総計70件が現存し、一括で国宝に指定されています。
【江戸時代 寛永16年(1639)】