雲龍文螺鈿琵琶 うんりゅうもんらでんびわ
平曲(へいきょく)用の琵琶であるが、楽器の装飾は琉球で施されたと考えられます。黒漆地に南方産の夜光貝(やこうがい)を用い、表に雲龍文、背面には放射状に広がった菊唐草をあらわしています。撥面(ばちめん)の革は、地文様に丸文などの型押しがある金唐革(きんからかわ)を用いています。江戸時代に琉球で用いられた琵琶は、宋時代以降進化を遂げた中国本土の琵琶と同形態であったと考えられますが、この琵琶は頸部が細い日本の伝統的な琵琶で、加飾のみが琉球で行われたと考えられます。
【琉球時代 16-17世紀】
一面
全長86.0 幅32.3