竹茶杓 銘 虫喰 たけちゃしゃく めい むしくい
白竹で中節と切止の部分と2つ節があり、中節の下方と切止に穴が空いています。いずれも虫喰の痕と思われ、奇形の竹を用いて、見所としています。筒は共筒・桧蓋で、〆印のところに「宗易」と「花押(ケラ判)」があります。桐箱蓋表に、桧製の古箱の蓋表の一部がはめ込まれ、そこには「宰相様より被進候御数奇(寄)道具五色之内 御茶杓 利休虫喰 元禄六年酉五月九日」と墨で記されています。宰相様とは尾張徳川家3代綱誠であり、綱誠が松平義行(高須松平家初代)に御数寄道具(茶の湯道具)5種の1つとして与え、後に尾張家に戻った茶杓です。
【桃山時代 16世紀】
作者:伝 千利休作
徳川光友(尾張家2代)・綱誠(同家3代)・松平義行(高須松平家初代)所持
長18.0