大名物
灰被天目
はいかつぎてんもく
見込と釉溜まりには黒釉の色が見られますが、二重に掛けられた釉薬が腰のあたりで変化し、他の灰被とは異なり柿色を呈しています。表面には、銀色の細かな班文が散っています。灰色の堅く焼締まった土と、浅く、シャープに整えられた高台の特徴から、建窯の産ではないかと考えられています。この灰被天目は、『山上宗二記』に記載された天目のうち、唯一の現存作例です。
【中国・南宋時代 13世紀】
[伝来]油屋浄祐-徳川家康-尾張徳川家初代義直
高6.8 口径13.3 高台径4.2