継色紙
(古筆手鑑「鳳凰台」所収)
つぎしきし
継色紙は「寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)」「升色紙(ますしきし)」とともに三色紙と呼ばれ、古筆の中でも特に珍重されている。もとは粘葉装の冊子本で、見開き二頁に和歌一首を散らし書きに書写している。 現在三十余葉が知られているが、その内容からみて『古今和歌集』の初撰本というべき『続万葉集』からの抄本を書写したと考えるむきもある。
ア行の「え」とヤ行の「え」とを書き分けており、書写年代は古く、雄渾でしかも軽快な運筆、筆継ぎの濃淡の美しさ、視覚に直接造形美を訴えるかな書道芸術としての高い完成度をすでに見せている名筆である。 岡谷家寄贈。
【平安時代 10世紀】
作者:伝小野道風筆
各縦13.1 横13.1